1歳半でドラム演奏を“凝視”していた

──1歳半からドラム演奏を始めたそうですが、なぜドラムだったのでしょうか。

YOYOKA(以下YO):両親の話によると、このスタジオにいろんなアーティストがレコーディングやリハーサルに来ていたのですが、リハーサルの時に私がハイハイしてドラムの人の所へ行き、ずっと見ていたそうです。両親の意向ではなく、あくまで自分の意思だったようです。

梨絵さん(母):他のギターやベースの人に失礼だなと思うぐらい、いつもドラムにまっしぐらで、声も出さず凝視していましたね。

章文さん(以下、父):なんか吸い寄せられて行ったような感じでした。ゼロ歳のころから、さまざまなコンサートに連れて行きましたが、どんな時でも2時間ぐらい集中して聴いているんですよ。下の子はそれができなかったんですけどね(笑い)。

──YOYOKAさんがドラムで音楽性を表現するようになったのは何歳ぐらいからですか?

父:彼女が1歳半でドラムに触れるようになってからすぐです。私がギターやベース、ピアノを弾いての即興セッションを毎日続けていました。4歳になったころに、妻や私が作詞作曲したオリジナル曲にドラムを加える形で演奏し始めました。何もないキャンバスにドラム(の演奏)を自分で考えるということを繰り返しやってきました。このころからほぼオリジナル曲という形でライブ活動を始めました。

──8歳の時にレッド・ツェッペリンの曲(Good Times Bad Times)をカバーして、その動画が大反響となったわけですが、なぜツェッペリンだったのですか?

YO:iTunesでいろんな曲を聴いていた時、それまで聴いたことがなかったレッド・ツェッペリンの曲がかかり、“なんだこれは、カッコいい!”と思って両親に伝え、練習し始めて、その後、コンテスト(Hit Like A Girlという世界の女性限定のドラムコンテスト)にもこの曲で応募しました。

父:実はレッド・ツェッペリンは僕らは全然聴いてこなかったんです。イーグルスとかクイーンとかは聴いていましたが。彼女がこの曲を気に入ったころ、年の離れた友人に“世世歌ちゃんにある曲を叩いてみてほしいなあ”と言われたのですが、それが、まさにこの曲だったんです。よくよく調べてみるとドラム的に難しい曲で、当時センセーションを巻き起こした曲だったことを知りました。

──この曲をカバーした動画が世界的な反響を集めました。YOYOKAさんはどう受け止めましたか?

YO:この曲の演奏がバズるとは思っていなかったので、最初はただただビックリしていました。それからいろんなミュージシャンの方や私が聴いていた海外のバンドのドラマーさんやボーカルの人とか、有名な方が“すごい”と言ってくれて、こんなことあるんだなぁという感じでした。