7月19日にソウル市内のホテルで記者会見したクァク・ジョンファン世界平和統一家庭連合(統一教会)元会長(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 安倍晋三元総理を狙撃・殺害した被告が旧統一教会(韓国では「統一教」と呼ぶ)との関連で恨みを持っていたということから、韓国でもまた「統一教」について関心が高まっている。

 7月19日には、クァク・ジョンファン元統一教の世界会長が記者会見を開き、安倍元総理が狙撃されたことにショックを覚え、心から謝罪すると述べた。そして次のように続けた。

「文鮮明氏の3男である文顯進会長は、日本の教会を献金をひねり出す『経済部隊』から真の家庭の理想を実践し、拡散させる正常な摂理運動組織に変えていこうとした」

「しかし、文顯進会長の試みは最初から教団から抵抗され、結局その後、日本に対しては手を出せないでいた」

 クァク・ジョンファン氏は、文鮮明氏が存命していた頃は「統一教の二番手」と呼ばれ、統一教会内で数々の要職についていた人である。

 つまり、日本の旧統一教会は元々お金をひねり出すところだという認識があったということである。

 統一教は、韓国のキリスト教の中でも異端視されているが、教育機関(小中高、大学など)を運営しているため、意外にかかわりを持ってしまう場合もある。

 韓国に本部を置いているが、日本や米国での影響が大きいのも韓国人にとっては意外である。

 実際、韓国で活動する統一教信者の半分以上が日本の女性で、韓国において聖地と呼ばれている場所には韓国人より日本人の方がずっと多いという。

 さて、「統一教」の名称は、「世界のすべての主義、思想、政治そして宗教を一つの道で完全に統一させる」という意味を持っている。