安倍首相銃撃事件で韓国の株式市場は「愛国企業」の株価が軒並み上昇した(写真は6月16日のKOSPIと外為レート、写真:ロイター/アフロ)

 7月8日、安倍晋三元総理が遊説の途中で襲撃されたというニュースが流れると韓国でも驚きの声が上がった。

 そして、外国為替市場では円相場が急激な「円高ドル安」(一時135円台前半)に動いた。

 韓国だけでなく、アジアの株市場は一斉に下方修正された。

 韓国の株価指数は大幅に下落し、その後持ち直したものの大引けには横ばい状態で終わった。円相場も数時間でまた円安ドル高に変わった。

 安倍元総理の襲撃時からドクターヘリでの搬送、死亡に至るまで、韓国でもずっと報道された。韓国でもそれだけ大きなニュースであった。

 韓国人にとって、日本の歴代の首相の中で名前を知っているのは圧倒的に安倍元総理であろう。

 安倍元総理が長期執権していたからともいえるが、それより文在寅(前韓国大統領)政権で反日基調が強く、それに対して対立するスタンスを取っていたのが安倍元総理だったからと言える。

 安倍元総理は韓国人にとって嫌いな日本の政治家であった。

 韓国側からすれば、日韓の歴史問題や懸案に対して極右姿勢を取り、韓国最高裁が下した戦時中の強制動員労働者に対する賠償判決に反発して半導体関連素材に対して輸出規制をしたり、韓国人が嫌う靖国神社への参拝なども行ってきたからである。

(あくまでも韓国側一般の見方であり、筆者の考えではない)