二村洞の漢江デウ

(羽田 真代:在韓ビジネスライター)

 韓国に派遣される日本人駐在員家族の多くが住む、ソウルの二村洞(イチョンドン、通称:日本人村)。近頃、この地域が騒々しい。

 二村洞には、日本人学校へ行くバスが通っている。そのため、中学生以下の子を持つ日本人駐在員の家族たちは、韓国に赴任する時に、ここへの居住を選択することが多い。

 二村洞には1990年代に入居が始まったアパート(日本でいうマンション)が立ち並んでいるが、今となってはソウルの中でも古ぼけた地域に分類される。

 韓国のアパートは「築年数×2年=日本の築年数」と考えるのが妥当だと韓国人の不動産屋が話していたが、この地域にある様々な住戸を見てきた筆者にしても、この方程式は的を射ていると感じる。本当に古いアパートばかりなのだ。

 本題に入る前に、日本人からやってきた駐在員が多く居住する代表的なアパートをご紹介しておこう。

<ハンガラム>
使用承認日:1998年9月18日
世帯数:2036世帯(全19棟)
直近売買実取引価格:18億6000万ウォン(2022.05.19/85平方メートル)

<二村コーロン>
使用承認日:1999年11月01日
世帯数:834世帯(全10棟)
直近売買実取引価格:10億ウォン(2022.07.05/84平方メートル)

<ガンチョン>
使用承認日:1998年01月08日
世帯数:1001世帯(全9棟)
直近売買実取引価格:8億5000万ウォン(2022.07.06/84平方メートル)

<漢江デウ>
使用承認日:2000年03月31日
世帯数:834世帯(全10棟)
直近売買実取引価格:23億ウォン(2022.07.05/84平方メートル)

<二村ウソン>
使用承認日:1995年12月23日
世帯数:243世帯(全2棟)
直近売買実取引価格:23億ウォン(2022.06.28/84平方メートル)

 また、二村洞には上記とは別格のアパート、パークタワーがある。

<パークタワー>
使用承認日:2009年05月15日
世帯数888世帯(全6棟)
直近売買実取引価格:29億ウォン(2022.07.06/100平方メートル)

※パークタワーは80平方メートル台の部屋がないため、確認できる最も小さい家の売買価格を記載。また家賃契約の場合、保証金の度合いによって月々に支払う家賃に大きな差が生じることから売買価格を記載している。韓国のアパートはオーナーによってリフォーム度合いが全く異なるため、同じ専有面積であっても売買価格にばらつきがある。

 パークタワーは社長クラスの駐在員や、羽振りのいい企業の家族が住むアパートで、二村洞の中では憧れのアパートに位置付けされる。韓国人の社長も多く居住するラグジュアリーアパートだ。