著名な育児論や教育法はたくさんあるけれど、理想通りにいかないのが子育て。だからこそ、机上の空論ではなく、実際に日々悩み、模索しながら子育てに向き合ってきた先輩たちのリアルな声が聞きたい。そんな思いから、独自の育児をしてきた先輩パパママたちの“子育て論”を聞く本連載。記念すべき初回は、天才と呼ばれる松丸四兄弟の父、松丸 悟さんにインタビュー。後編では、松丸家で実践していた勉強法について伺います。
編集・文=石渡寛子
「勉強しろ」は禁句! それでも机に向かわせるには?
将来のことや親のエゴは一切押し付けない。それでも勉強にしっかり取り組んでいた松丸家。その根本にはひとつの考えがあったという。
「子供から“なんで勉強するの”と言われたときに、真剣に答えることが大事だと考えていて。よく言ったのは、中学で得た知識、高校で得た知識、大学で得た知識、また違った専門的な勉強したとき。勉強して得た知識が多ければ多いほど、自立するときの考えの裾野が広がる。それが大事だと伝えました。
勉強のできる、できないではなくて、経験したことによって、自分の考えで生きていく。そのほうが将来を見据えた目標をはっきりと持つことができるんじゃないかという想いがありました」