北京オリンピックでの日本人選手活躍もあり、スノーボード人気が再燃している(写真提供:グランスノー奥伊吹)

斜陽レジャーとなって久しいスキー・スノーボード

 北京五輪でレジェンドらを破って金メダルを獲得した平野歩夢選手などの大活躍で、スノーボードの人気が再燃しつつあるという。スキー場関係者にとっては嬉しいニュースだ。

 スキー関連が斜陽産業となって久しい。日本生産性本部の『レジャー白書』によると、スキー・スノーボード人口は、1998年の1800万人をピークに減り続け、2020年は430万人(スキー270万人、スノーボード160万人)にまで落ち込んだ。20年あまりで4分の1の水準にまで激減したことになる。

 スキー場の閉鎖や営業中止も相次いでいる。日本鋼索交通協会の資料によると、1990年に全国に661あったスキー場は、2022年には437に減少した。雪不足が原因のスキー場もあるが、ほとんどは入場者激減による営業悪化が原因だ。

 最近はコロナ禍が追い打ちをかけた。緊急事態宣言などの行動自粛、行動制限、そしてインバウンド消失で、豊富な降雪でスキー場のコンディションは最高なのに、来客数が大幅に減少しているスキー場が多いという。

売り上げも全国トップ「グランスノー奥伊吹」の快進撃

 そんな逆境下にありながら、入場者数を増やし続けている“奇跡のスキー場”がある。首都圏の人にはなじみのない滋賀県にある「グランスノー奥伊吹」だ。

 昨シーズン(2020─2021)の入場者数は22万1675人で、開業51年間で最多の記録となった。これは全国4位で、関西にある21スキー場では最多入場者数だ。スキー場の売り上げは全国トップになった。今シーズン(2021─2022)も営業日数44日目で10万人を突破し、過去最多を記録するなど好調が続いている。

 同スキー場は、全国約400のゲレンデのコンディションや人気ランキングを掲載しているウェザーニュースのスキー場人気アクセスランキングでも堂々のトップになっている。なんと6年連続の1位である。スキー人口、スキー場減少、インバウンド消失、コロナ禍という悪条件下で、なぜ快進撃を続けられるのか。

過去最多となる年間22万人超の入場者数を記録した「グランスノー奥伊吹」(写真提供:グランスノー奥伊吹)