米ジョージア州アトランタにあるCNNセンター(写真:AP/アフロ)

(古森 義久:日本戦略研究フォーラム顧問、産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 アメリカのCNNテレビが崩壊とも評されるほどの衰退をみせている。看板キャスターが不当な情報活動を理由に解雇されたのに続き、今度は社長が社内での男女関係秘匿を理由に辞任した。しかもゴールデンタイムの視聴者数は1年前の10分の1にまで急落したという。

 ニュース・ネットワークとしてはアメリカだけでなく日本も含めて全世界で広く視聴されてきたCNNは、共和党のトランプ前大統領を叩き続け、民主党側を熱気をこめて応援してきた。だが、その偏向がこの人気急落にも大きくかかわっているようだ。

「同僚との親密な恋愛関係」の報告を怠った社長

 CNNテレビは2月2日、自社のジェフ・ザッカー社長の辞任を発表した。ザッカー氏自身は「社内調査の際に私が会社の同僚と親密な恋愛関係にあることを報告すべき義務を怠った」ことが辞任の理由だと説明した。

 ザッカー氏は相手の名を明かさなかったが、CNN内部からの情報でその女性はすぐに同社の営業担当幹部のアリソン・ゴルスト氏だと判明した。ザッカー、ゴルスト両氏とも離婚経験者でいまは独身だった。