(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)
1月21日に行われた日米首脳会談は、日本側では中国やロシアに対する日米連携の強化などとして前向きに評価されたようだが、米国側では実質的な成果がなかったとの認識から、メディアや議会の関心もきわめて低いという現実が浮かび上がった。
中ロへの具体的な対抗策は皆無
岸田文夫首相とジョセフ・バイデン大統領は1月21日、オンライン形式で約80分間会談した。岸田政権にとっては昨年(2021年)11月の発足以来、初の公式の日米首脳会談であり、岸田首相のワシントン訪問による対面形式の会談を求めていたが、米国側の都合でオンライン形式になったという。
日米両国政府の発表によると、この会談で両首脳は以下のことを語り、合意したという。
・中国をめぐる諸問題への対応で日米両国が緊密に連携する。
・とくに香港や新疆ウイグル自治区での人権問題への懸念を共有する。
・台湾海峡の平和と安定の重要性についても両首脳は強調した。
・北朝鮮の完全な非核化に向け、日米韓3国で緊密に連携する。
・ロシアによるウクライナ侵攻を抑止するためにも連携する。
・「核兵器のない世界」への日米協力を確認した。