中国・道教の神・鍾馗(しょうき)の像を旗、屏風、掛け軸として飾れば魔よけの効験があるとされる「鍾馗像(河鍋暁斎画)」

厄とは何か

「今年は厄年。嫌なことが起きなければいいが・・・」

 厄年は体調の変化、人生の転機が訪れる年齢とされ、予期せぬ災難に遭いやすく、精神的に落ち着かない時期ともといわれる。

 実際、厄年は厄災に遭う確率が高くなったり、良くない出来事が起きたり、と感じる人も多いようだ。

 以前、朝日新聞社が行なったアンケートによると「あなたは厄年を気にしますか?」という質問に半分以上の人が「気にする」と回答。

 また、厄年に何らかの災難に遭ったと感じた人は30%。厄年なので厄除け・厄祓いをしたことがある、もしくはしようと思っている人は50%との報告がある。

 厄とは「わざわい」や「災難」のことである。

「わざわい」の「わざ」とは鬼神のなす行為、「はひ(わい)」は長引くと言う意味があり、悪いことが長く続くという意がある。

 厄には時間の観念でいえば厄日・厄月・厄年がある。

 厄日とはかつては神を迎える祭り日であった。

 しかし、その厳粛なる日が畏れられて厄日とされたもの、陰陽道の吉凶判断で悪日となった日や、実際に災厄の多い日が厄日となったものとがある。

 空間的には厄が生ずる場というのもある。

 忌みとは、厄をもたらさないために軽はずみな行動を慎み、悪い影響を及ぼすものとの接触を避ける行為である。

 それは心身を清浄に保ち、穢(けがれ)を避け、身を慎むことで禍に巻き込まれないようにするものだが、大別して2つの場合がある。