国防とは国力に相応する武力を備えるとともに、同時に国力を育て、一方、外交手段により、戦争を避けることが国防の本義である。
2022年の今年、かつてないほど世界に大きな争いの兆しを感じている人は多いのではないではないか。
ロシアはウクライナへ、中国は台湾への侵攻が、そう遠くない時期に起こるのではないかという懸念がある。
小さなきっかけから世界を巻き込む大戦争に発展する歴史は繰り返されてきた。私たちはその教訓を忘れてはならない。
平和が続くか続かないかは、人々の心の持ちようであり、特に国家の指導者の心の中に争いを避け、平和を維持しようという意思が作り上げられるかどうかにかっている。
なぜなら平和を維持するよりも、戦争を始める方がはるかに易しいからだ。
中国は、ほぼ毎日のように台湾の防空識別圏に軍機を進入させているようだ。昨年の2021年にはその数、約950機。
米国は東アジアでの中国との軍事バランスは数年以内に逆転されるという危機感を強める。
台湾の各種世論調査では、中国との関係で「独立」「現状維持」「統一」のどれが望ましいかを聞かれ、「現状維持」を挙げた人が半数以上を占めた。それ以外に選択肢がないからだという。
確かに軍事衝突よりは、現状の維持の方がいいのは明らかだが、それは中国の圧力による選択ともいわれている。
だが、台湾海峡の現状維持を望んでいるのは台湾だけでなく日本も米国も同様だ。
中国は南沙諸島の無人の岩礁を占領、拡張して要塞化し実効支配、中国領だと主張する。