こんにちは、世界を旅する犬猫写真家、新美敬子です。今回の旅先は、ドイツ・フランクフルト空港の近くの町、ジントリンゲンです。

 ものすごくチャーミングな猫に会いました。日本語で話しかけていると、通りすがりの人が、「きれいな猫よね。日本語? だめだめ。ドイツ語も英語も受け付けないのよ。飼い主がフランス・ストラスブールから引っ越してきた人だから、この猫はフランス語しか受けつけないって方針らしいのよ。可愛い猫なのに」。

「そんな事ないよね〜」と猫に相槌を求めましたが、クールな瞳で見つめ返してきただけでした。

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 ジントリンゲンで出会った多くの猫は、シッポでものを言うタイプでした。こちらの猫は、家の塀から飛び出してきて私の足に絡みついたので、頭をなでてやりました。

 すると、「よし!」というように、頭とシッポを振って、ひし形の穴を通ってブロック塀の向こう側に入っていきました。「どうしたの? 入ってこないの?」と、振り返ったところです。いくらなんでも人間は通り抜けられません。猫はしばらく、こちらを不思議そうに見ていました。

 川沿いの斜面を歩いている猫がいました。とても大きな猫でキティ(子猫)という感じではなかったのですが、つい「キティ」と呼びかけてしまいました。すると猫は、「私のこと? キティって呼んだ?」と、うれしそうにシッポを何度もふり上げました。

 そのあとも、ずっとごきげんに前足をふみふみしていました。