「急性期症状」が軽くても
侮るべきでない「オミクロン後遺症」
次いで、後遺症の具体的な中身を見てみましょう。
「全身の倦怠感、だるさ、重さ」といった症状は、実は中等症以上に重くなった人より、軽症者で高率に残っています。

「生活に支障が出る程度の記憶障害」に至っては「無症状」から「軽症」「中等症」まで全く変わりなく4割弱に発症。重症者に症例が少ないように見えるのは、重症から生還した患者母数の少なさが影響していると考えられます(下の図では2人)。

また変異株によって後遺症の出方に違いがあります。例えば上の記憶障害は武漢株よりもアルファ変異株で支配的な後遺症になっていきます。

デルタ株やそれ以降の変異株による後遺症の種類や重篤さは、現在進んでいる「第二次世田谷新型コロナウイルス後遺症調査」で調べられています。
東京大学ゲノムAI生命倫理コアが解析を担当し、私が統括を務めていますが、まだ結果は出ていません。公表できる結果が出ましたら、またお伝えしたいと思っています。