単に「美しい風景」を見せるのではなく、建築を挿入することで「そこにしかない風景」を再構築している。軸線のずれや高さの違いによって、複雑な「見る・見られる」関係をつくり出しているのだ。

プール側から見た本館。3階、4階、最上階(メゾネット)の客室が見える
本館から水盤と滝を見下ろす

 この建築は、私が前職時代に編集に参加した『安藤忠雄の奇跡 50の建築×50の証言(NA建築家シリーズ特別編)』(2017年、日経BP刊)の「50の建築」に選ばれていない。うーむ、痛恨のエラー。もし私が実物を見ていたら、絶対に選んだと思う(ちなみに「坂の上の雲ミュージアム」は選ばれている)。

 繰り返しになるが、基本的に見学は受け付けていないので、本当にすごいのかを確かめたい人は宿泊してみてほしい。安くはないけれど、あなたが安藤ファンであれば、自信を持ってお薦めする。

◎本稿は、建築ネットマガジン「BUNGA NET」に掲載された記事を転載したものです。