訪問した6月は、樹木の勢いが増す時期でもあり、右岸側は生い茂る草木に覆われていた。橋のたもとに通じる道はあるが、周囲には畑しかないこともあり、人が日常的に通る気配はない。
なんとか右岸側の橋のたもと近くまで行ってみたが、そこには橋の存在を感じさせるものはなく、水害を受ける前に立てられた「老朽化のため通行止め」という看板とフェンスが、橋の存在を主張するのみだった。
大杭橋は生き残るのか
現地を訪ねて大きく折れ曲がった橋桁などに衝撃を受けたものの、荒廃感はまったく感じなかった。それは、壊れた状態の物を残しつつも、そこかしこに修復の跡がみられたからだ。崩れた左岸を修復するのは当然だとしても、河原に降りてきた人たちが歩きやすいように、左岸側の河原も整備されていてた。
大杭橋の橋脚近くが以前はどのようになっていたのかがわからないのだが、少なくとも訪問時には、残されたコンクリート橋脚近くが平らにならされて、ちょっとした釣りができるようにもなっていた。