知ってみたかった“普通の性風俗店”のその先

――各地で上映されてきましたが、全国は何カ所、回ったのですか?

真野 今のところ18カ所です。

――特に印象的な場所はありましたか?

真野 それぞれ印象的でした。東京も含め、どの土地でもそうなんですが、舞台挨拶の後でお客さんと直接話すと「実は自分・・・」と、自分の秘密を初対面の僕に話してくる人たちが多かった。死とか、セックスライフとか、病気のこととか、いろいろ話してくれて、それが面白かったですね。

 イケダががんになって最初にやりたいと言ったのが「ハプニングバー」に行くことだったんですけど、「ハプニングバーを知ってる人いますか。行ったことある人いますか」って(観客に)聞くとかなりいるんです。意外と手を上げるし、手を上げなかった人も後で「実はあのとき手を上げなかったけど、行ったことあるんです」と話をしてくれたり。女の人も多く、「私もがんになった時にまず(ハプニングバーに)行ってみたいと思った」と言った女性がいました。

プロデューサーを務めた真野勝成氏(筆者撮影)

――この映画が人の心を開くのでしょうか。

真野 そうですね、さらに言うと、多くの人が看取りの問題を気にしている。自分はどうやって死んで、誰に看取られるのかということをすごくみんな気にしているなと。