馴染みの裁縫店のおばあさんの行く末を心配

――生前のがん告知される前のイケダさんはどんな人だったのでしょう。

真野 イケダは頭もよくて、自分で自立することにはこだわっていたと思います。自分仕様の車に乗って、おしゃれもしていましたし。おしゃれな服も買って、彼の寸法に合わせて縫製する。もったいないんですよ、めちゃくちゃいい服を買ってもバサバサ切っちゃうから。

――自分で直すわけではないですよね。

真野 町田に裁縫店のおばあちゃんがいて。ずっと昔から、イケダの服をカスタマイズしてくれた裁縫店のおばあちゃんなんです。いま体崩されて、休んでいるらしいんですが。

――そのおばあちゃんは映画のことを知っているのですか?

真野 いえ、言ってないです。死んだことも知らないと思います。でも直しに来なくなったから、もしかしたらって、おばあちゃんもわかっていると思うんですけど。イケダが面白いのは、がんになってから、おばあちゃんの行く末をすごく心配していました。でもどう考えてもお前のほうが先に死ぬだろうって(笑)。

© 2021 愛について語る時にイケダが語ること

――イケダさんの思い出話をするとよく笑いが出ますよね。

真野 いいのです。そのために僕が語り部としているので。友達だったので、培った関係性がなんでも茶化してしゃべる関係性でした。映画を見ればわかると思いますが、深刻な話ではないんです。

――映画の冒頭に映画『生きる』の話が出てくる。あれは池田さんの案ですか?

真野 あれは僕の遊びです。がんになった公務員の話だから『生きる』と同じじゃないかと。池田は『生きる』を見てないですけど(笑)。『生きる』は、公務員ががんになってみんなのためにいいことするという話ですが、池田はハメ撮りをしていたのですが。

――東京から全国を行脚して、また東京に戻ってきましたが、今後のビジョンはありますか?

真野 世界にこんなドキュメンタリー映画ないですよね。海外の評論家も絶賛してくれていることもあって、海外の映画祭にこれから出したいと思っています。でもそれにはお金が必要になりますので、ぜひご支援お待ちしています。

© 2021 愛について語る時にイケダが語ること

『愛について語るときにイケダの語ること』

11月26日よりアップリンク吉祥寺(東京・武蔵野市)にてアンコール上映

企画・監督・撮影・出演:池田英彦

出演:毛利悟巳

プロデューサー・撮影・脚本:真野勝成
(脚本家/「相棒」「デスノート Light up the NEW world」)

共同プロデューサー・構成・編集:佐々木誠
(監督作「ナイトクルージング」「マイノリティとセックスに関する、極私的恋愛映画」)

デザイン:三宅宇太郎/WEB制作:上田茂/題字・イラスト・テロップ:山本アマネ

Special thanks:巻来功士/制作協力:株式会社クロオビ/配給・宣伝:ブライトホース・フィルム

© 2021 愛について語る時にイケダが語ること

対象年齢18歳以上

公式サイト:https://ikedakataru.movie/