そしてそのことが報道されるや否や、薛氏は自身のツイッターで「害虫駆除!!!快適性が最高の出来事また一つ。」として、絵文字のクラッカーと笑顔を3つずつ並べるなど大はしゃぎ。批判ツイートが殺到したものの「多くの方々からコメントを多数頂いた。ありがたく思っている」とうそぶき、同団体を「他国政権の転覆を謀ってきた正真正銘の政治団体」「さまざまな分野で中国の内政に干渉し続けてきた」「中国政府に『反中団体』と認定されている」などとしている。

国際人権団体を「害虫」と揶揄した薛氏のツイート

 薛氏といえば、今年8月、アフガニスタンからの米軍撤収の報道を受けた際にも、首都カブールの空港から脱出する米軍機にしがみついた人々が上空から転落する様子を揶揄するような内容のツイートを発信したことはJBpressでも既に報じた*1。この時にも「外交官としてあり得ない」「人命に対する感覚が麻痺していると」などとする批判が日本や台湾から噴出したのだが、その後も過激ツイートはとどまるところを知らないようだ。

*1 米軍機の人落下を揶揄の中国総領事、日本へほっこりツイのなぜ?
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66605

「台湾独立=戦争。中国には妥協の余地ゼロ!!!」

 折しも薛氏がこのつぶやきをアップした翌10月27日には、東京の孔鉉佑駐日大使がツイッターのアカウントを開設した。孔大使はそこで「(日中)両国国民同士の相互理解を深化させ、友好交流および互恵協力を増進するため」だと日本語で丁重にあいさつし、情報発信を通じて対中感情の改善につなげようとする姿勢をにじませているにもかかわらず、薛氏はこれにも全くお構いなしの様子。

新たに開設された孔鉉佑大使のツイッター

 というのも、米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長が27日に公開された米メディアインタビューで、中国による極超音速兵器実験に関し、「非常に懸念している」と述べ、米国が開発競争で後れを取っていることを示唆した報道について、笑顔の絵文字付きで嘲笑するかのように「米統合参謀本部議長が懸念?分かりやすく解説したら、米国民に『もっと金くれ』と言うことか!」とバッサリ切って捨てたのだ。

 この極超音速兵器は米国やロシアも開発競争を展開しているが、中国が核弾頭を搭載できる極超音速ミサイルを今年夏に試験発射したと、英紙フィナンシャル・タイムズが報じて波紋が広がった。中国当局は通常の宇宙船実験だったとして報道を否定したが、音速の5倍以上の速度で低空を飛行し、機動性も高く、既存のミサイル防衛網での迎撃は困難とされるだけに、ミリー氏は、旧ソ連が米国に先んじて人工衛星「スプートニク」を打ち上げ、米国に衝撃を与えたことになぞらえ、懸念を露わにした。