「東海」ではなく「日本海」の荒波(写真:アフロ)

(ファンドビルダー:韓国コラムニスト)

 日韓を巡る摩擦は通常、以下のような3段階を経る。

 第1段階:韓国が突然日本を攻撃する
 第2段階:日本が対応する
 第3段階:韓国が日本の対応に憤慨し、プロパガンダを展開する

 日本海表記に関連した日韓の摩擦も、このような段階をそのまま踏んだ。

 韓国は1992年8月、国連(UN)地名標準化会議で、突然、「日本海」の単独表記に問題があると言い出し、「東海」を併記しなければならないと主張した。第1段階だ。

 これに対し日本政府は、日本海表記が、国際社会で認定された唯一の呼称であるという立場をはっきりと示した。第2段階だ。

 そして、日本が素直に要求に応じないので、腹を立てた韓国政府と韓国人は、手段と方法を選ばず、東海併記を目標とし、国際社会に反日プロパガンダを展開している。第3段階だ。

 韓国が国連に加入したのは1991年であり、その時から国連からの各種公文を受け取ることになった。ただ、国連の各種資料に「日本海」という表記が出てくることに対して、韓国は自尊心がとても傷ついた。韓国が、東海併記を主張し始めたのはこの頃からだ。

 動機に、正当性も論理性も合理性もなかった。出発点は嫉妬心であったし、併記によって自尊心を回復することが最終目標だった。

「日本海/東海」という併記は混乱を招き、国際的な慣習からも外れている。もし韓国の動機が純粋なものだとすれば、韓国は正当な論理に基づき、日本海に代わる新しい単独表記を提案しただろう。

「東海」あるいは「韓国海」という単独表記の主張は正当性や論理性の裏付けが全くないので、韓国にとっては勝算のないゲームだ。ところが、併記の場合なら話が変わる。紛争に巻き込まれるのを好まず、なるべくなら当事者同士での円満な妥協を望む国際社会の立場により、動機の不純性にもかかわらず可能性が開くのだ。