未来志向の日韓関係を唱える文在寅大統領だが、実際にやっていることは過去志向である(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 日本のお札に登場する偉人は20世紀初頭を生きた科学者や小説家、教育者、事業家で、近代化を象徴した人物と言える。一方、韓国の紙幣は中世の李氏朝鮮時代の王と性理学者で科学者や技術者が皆無だ。性理学という儒学の学者や15世紀の王が有り難がられるところに、韓国の精神性が垣間見える。紙幣を通して日韓の違いを語るファンドビルダー氏の論考。

※ファンドビルダー氏の過去記事はこちら(https://jbpress.ismedia.jp/search/author/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%93%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%BC)をご覧ください。

言行不一致の文在寅政権

 文在寅大統領は2021年の三一節(※)及び光復節(8月15日)記念の辞で、日本に向かってこのように述べた。

 ※1919年3月1日の独立運動を記念する韓国の祝日

「過去に足を引っ張られることがあってはいけません・・・(中略)・・・未来志向的な発展に、より一層、力を注がなければなりません」(三一節)
「韓日両国は国交正常化以後、永らく民主主義と市場経済という共通の価値を基盤に・・・(中略)・・・経済成長をともに成し遂げることができました。今後も、この方向に両国がともに歩んでいかねばならないことでしょう」(光復節)

 韓国は、暇さえあれば日本に向かって「未来志向的発展」を強調する。だが、韓国が実際に見せる行動は「過去志向的退行」だ。文在寅大統領は10月15日、日韓トップ電話通話で岸田総理にこのように要求した。

「1965年の韓日請求権協定の適用範囲に関して、法的解釈の差異が存在する。両国間で、外交的解決法を摸索しなければならない。生存している慰安婦被害者のお婆さんが13人なので、両国の解決できる時間は多くはない」

 韓日請求権協定とは別に、日本は慰安婦問題に関して、韓国の被害者が満足する時まで、絶えず謝罪と補償しなければならないという話だ。請求権協定(1965年)、河野談話(1993年)、慰安婦問題合意(2015年)にもかかわらず、韓国はまたしても慰安婦問題を取り上げたことになる。韓国はつねに国家間の約束を破り、問題を拡大、再生産する。

 韓国が過去志向的国家という点は、韓国の紙幣に登場する人物だけを見てもうかがい知ることができる。日本と比較すれば、それはより一層目立つ。