上海モーターショー2021で上汽通用五菱汽車が出展した「宏光MINI EV CABRIO」(2021年4月20日、写真:Featurechina/アフロ)

(花園 祐:中国・上海在住ジャーナリスト)

 中国汽車工業協会によると、今年(2021年)1~9月の累計販売台数は前年同期比8.7%増の1862.3万台でした。通期ではプラス成長を維持しているものの、伸び率は1~8月に比べ1.4ポイント下落しており、直近の9月単月における販売台数は前年同月比19.4%減と大きく落ち込んでいます。

 原因としては、日本を含む世界各国の各産業で問題化してきた半導体不足、およびエネルギー価格の高騰に伴う中国各地での電力制限実施による生産への影響などが指摘されています。これらを受け、過去2年にわたり急成長を続けてきた日系車も販売台数が落ち込むなど、戦略の転換を迫られています。

 ただし、全体販売台数は縮小したものの、新エネルギー車の販売は倍増が続いています。電気自動車(以下「EV」)を専門とする新興中国自動車メーカーも躍進するなど、市場のEVシフトがより鮮明となっています。

 今回はこうした2021年第3四半期における中国自動車市場の概況について解説したいと思います。