同じ点について、民間の研究機関「民主主義防衛財団(FDD)」のデービッド・アデスニク調査部長も、「バイデン政権の当初からの軍事軽視が、いまになって中国側の軍事攻勢を奨励する結果を招くようになった」と指摘した。

 アデスニク氏は、中国の軍事攻勢の実例として、最近の大量の中国軍用機による台湾の防空識別圏への侵入や、台湾攻撃を想定するような大規模な軍事演習、さらには南シナ海や東シナ海での水上艦艇や潜水艦の行動の活発化を挙げていた。同時に「中国のこの種の果敢な軍事行動は、軍事抑止能力を重視したトランプ政権時代にはみられなかった」とも強調した。

中国が攻勢的に、日本への影響は?

 以上のようなバイデン政権の対中融和とも受け取れる姿勢の変化は、10月6日にスイスで開かれたジェイク・サリバン大統領補佐官と楊潔篪外交担当国務委員との会談にも反映された。

 この会談では、米中間での激しい意見の衝突はまったくなく、バイデン大統領と習近平国家主席が2021年末までに首脳会談を開き、両国間の関係改善を図るという計画が合意されたと発表された。

 こうしたバイデン大統領の対中融和傾向は日本にどんな影響を及ぼすのだろうか。

 近年の米中関係では、米国の態度が和らぐと中国の対外行動が攻勢的になるという相関関係が立証されてきた。このため中国の尖閣諸島への攻勢などが激しくなる展望も予想される。