ボルトン氏がとくに問題にしたのは、中国の大手通信機器メーカー、ファーウェイ(華為技術)の副会長、孟晩舟氏の中国への帰国を許可した措置だった。

 バイデン政権は米国の法律に基づき、孟氏を詐欺罪などで刑事訴追していた。孟氏はカナダに滞在し、カナダ当局から米国への移送の手続きを進められていたが、バイデン政権は9月下旬、孟氏との間で訴追延期合意を結び、事実上、刑事訴追を取り下げた。その結果、孟氏は本国へ帰り、「母国への勝利の帰還」として大歓迎された。

 バイデン政権のこの措置には、中国がカナダ人2人を報復のように拘束し、カナダ政府に対して孟氏を米国に移送しないことを強く要求してきた背景があった。バイデン政権にはカナダへの配慮もあったようだが、中国の不当な要求への屈服とみられた。

 中国当局は孟氏の身柄と引き換えに自国内に拘留していたカナダ人2人をすぐに釈放した。この動きは中国当局が不法な人質外交を実行した証拠だとして、米大手紙のウォール・ストリート・ジャーナルが社説で「中国の人質外交の威嚇に屈するべきではない」とバイデン政権を批判した。

中国への配慮がにじむバイデン大統領の演説

 バイデン政権の対中融和の兆しだとして第二に批判されたのは、バイデン大統領の9月下旬の国連総会での外交演説である。