(写真はすべて宮沢洋)

(宮沢 洋:BUNGA NET編集長、編集者、画文家)

 2回にわたって、東京・池袋にある東京芸術劇場(芸劇、設計:芦原義信)のパイプオルガンと建築的な魅力について書いてきた。だがもう一つ、見逃してはいけないものがある。それが建物前の屋外広場だ。

“SF的パイプオルガン”が池袋にあったとは
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67121

“恐怖のエスカレーター”作った理由と撤去した理由
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67122

 前回書いたように、芸劇は2012年に内部の改修を行ったのだが、それからさらに7年後の2019年、今度は建物前の広場が大改修された。大きなリング状パーゴラと野外ステージが誕生した。「池袋西口公園 GLOBAL RING(グローバルリング)」という名前の施設で、2019年11月にオープンした。

 設計したのは三菱地所設計・ランドスケープ・プラスJVだ。筆者は素っ気ない元の広場が好きだったので、これも改修計画を聞いたとき、「元のままの方が絶対にいい」と思った。だが、出来上がってみると、これはこれで悪くない。

 まず、元からあった床の円(敷石による模様)を生かしているのが好感が持てる。イベント利用のときには一体感が強まる感じがする。何より、池袋駅方向からの誘導効果が明らかに増している。何でもすぐに「変えない方がいい」と思ってしまうのは、歳をとったからなのかなあ、と反省する。

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