米国では看護師不足が深刻な問題となっている

 新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進んでいることで、米国の感染者・死亡者は収束するかに見えた。

 ところが、再び「感染の波」が到来し、医療従事者の疲弊は深刻化している。

 日本でも医師・看護師の心身疲労の問題は社会問題となっているが、当欄では米国の現状を記したいと思う。

 いま米国では1日平均13万6000人(米疾病予防管理センター)の新規感染者が出ている。米国の人口が日本の約2.6倍であることを考えても、大変な数字である。

 しかもコロナによる死亡者も全米で1日1500人以上(過去1週間平均)に達している。

 こうした状況下で米国の医療現場が直面している問題がある。

 一つは医療従事者の「燃え尽き症候群」である。特に看護師たちは現場の危機的状況に疲れ果て、辞職する者が増えている。

 米カリフォルニア州北部ユーレカ市にあるユーレカ病院に勤務する看護師の男性はこう述べる。

「過去1カ月だけで同僚の看護師が4人も辞めました。精神的に不安定になってしまう人もいます」

「私も朝起きて、『いったい何をしているのだろう。この仕事は本当に自分がやりたい仕事なのか』と問いかけています」