なぜか衰えないこの男の人気

 2021年1月に米国でジョー・バイデン政権が誕生したばかりなので、この時期に次の大統領選(2024年)の話をするのは時期尚早かもしれない。

 ただ大統領選には選挙期間が設定されていないことから、本日、ある候補が次期選挙への出馬宣言をしても何も不思議ではないし、米国ではすでに大統領選の話題は出ている。

 首都ワシントンから届く情報を総合すると、すでに虎視眈々と次期大統領選に照準を合わせ始めている大物がいる。ドナルド・トランプ前大統領だ。

 もちろんまだ出馬を表明しているわけではないが、同氏の周囲からは「もう一度ホワイトハウスで執務をする」というトランプ氏の野望が消えていないとの話が伝わってくる。

 米史上、現職大統領が再選で敗れ、その後再出馬して大統領に返り咲いたのは第22代・第24代グローバー・クリーブランド大統領しかいない。

 筆者は1992年のビル・クリントン氏の選挙取材を皮切りに、これまで計8回の大統領選を取材してきた。

 経験からすべてを見通せるわけではないが、いくつかの指標を使うことで見えてくるものがあると考えている。

 それが選挙資金であり、選対本部の組織力、そして候補が掲げる政策、候補の人物像などである。

 トランプ氏は2020年11月、バイデン氏に負けた直後にある動きをみせていた。政治資金団体であるPAC(政治行動委員会)を立ち上げていたのだ。

 このPACという団体を端的に述べると、「カネを集める組織」であり、次の選挙の下準備に入ったと解釈しても差し支えない。