米アマゾン・ドットコム創業者のジェフ・ベゾス氏が主導する宇宙旅行の話題が注目を集めている。
ベゾス氏も搭乗する宇宙船の同乗者(1座席)を競争入札にかけたところ、2800万ドル(約30億5200万円)という高額で落札されたため、価格だけでなく一般市民であっても将来、宇宙旅行の可能性がある点に関心が注がれている。
落札者はまだ公表されていないが、ベゾス氏の宇宙ベンチャー企業「ブルーオリジン」は12日、入札には世界159カ国から7000超の参加者があったと公表し、興味の高さが示された。
実は今回の競争入札への注目度の高さは、ベゾス氏の企画にとどまらず、今後の宇宙旅行が「観光市場」になる可能性を十分に示している。
スイスの金融機関UBSの試算では、2030年までに宇宙旅行は年間30億ドル(約3270億円)市場になるとしている。
それではここで、今回のベゾス氏の宇宙旅行の内容から記していきたい。
ブルーオリジンの宇宙船「ニューシェパード」がテキサス州から打ち上げられるのは7月20日。ちなみにニューシェパードという名前の由来は、米国人として1961年5月、初めて宇宙飛行に成功したアラン・シェパード氏の姓名から取られている。
さらに7月20日という日付は、1969年にアポロ11号が人類最初に月面着陸に成功した日であり、過去の宇宙飛行の成功とかかわりをもたせる計らいがみられる。
実はブルーオリジンは2000年の創業以来、高さ18メートルのニューシェパードの試験飛行を15回も行ってきており、今回初めて有人飛行に踏み切るのだ。