バイデン政権で政府高官の任命がかつてなく遅れている

政治任命者1200人のうち81人だけ

 米国のジョー・バイデン大統領が2021年1月20日に新政権を発足させてからすでに半年が経とうとしている。政権が交代するたびに首都ワシントンを中心に、連邦政府に勤務する多くの職員が入れ代わる。

 連邦職員数は約9000人で、政権交代があっても約5000人は異動しない。だが約4000人は、政権交代のたびに異動する。

 考えてみれば当たり前のことで、共和党政権時代にトランプ氏に仕えていた人たちは、民主党のバイデン政権になれば職場を離れる。これまでも政権交代のたびに職員の「大移動」が行われてきた。

 4000人の内訳は次のようになっている。

 大統領が直接指名できる人たちが約500人。補佐官や報道官など、ホワイトハウスのスタッフが中心だ。

 そして日常業務を任されている管理職が約750人。さらに高官の下で仕事をする一般職員が約1500人。

 本稿で記したいのが、最後の枠である政治任用者(ポリティカル・アポインティーズ)と呼ばれる約1250人についてである。

 彼らは各省の長官や副長官、次官、大使などの要職に就く人たちで、連邦議会上院で承認を受ける必要がある。

 バイデン政権でいま、この承認が遅れて問題になっている。というのも、7月中旬になっても1250人中81人しか承認されていないからだ。