限界を迎えつつある出前文化のインフラ

 今回の事件を通して、配送代理店と民主労総宅配労組の対立が世間に知られ、韓国配送業界の闇が浮き彫りになった。

 9月2日、青瓦台請願掲示板には「人の命がいたずらか」という請願が挙げられていた。宅配労組メンバーによるいじめに悩まされた他の宅配代理店経営者の妻が、「次の犠牲者が出ないよう労組のパワハラを根絶してほしい」と訴えている。

 そして、年中行われる配送ストライキのしわ寄せは、消費者に向かう。今韓国では、宅配労組に対する批判が盛り上がっている。ネット掲示板には「いい加減にしろ」「義務も果たさず権利ばっかり」「悪質だ」とあった。

 2017年に民主労総宅配労組を認可した政府は、まだ何も対応していない。今後、さらに問題が起きる可能性も憂慮される。自殺事件に関しては裁判も行われるだろう。何よりも大事なのは人命である。第2、第3の犠牲者が出ないように解決策を練ることが先決だ。