占い文化が国民全般に広がっている北朝鮮(写真:AP/アフロ)

 新型コロナウイルス感染症の影響で将来の不確実性がますます大きくなっている昨今、北朝鮮では党や軍の高位幹部から一般庶民に至るまで、占い師への依存が広がっている。今回の北朝鮮25時は、北朝鮮の当局を悩ませる人民の占い依存について。

(過去分は以下をご覧ください)
◎「北朝鮮25時」(https://jbpress.ismedia.jp/search?fulltext=%E9%83%AD+%E6%96%87%E5%AE%8C%EF%BC%9A)

(郭 文完:大韓フィルム映画製作社代表)

 北朝鮮で占いが最も多く行われる時期は年末年始である。旧暦の年末年始になると北朝鮮住民は、身分や階級、境遇などを問わず、占い師の元を訪れる。

 北朝鮮の占い師は大きく2つに分類される。占い師が体得した霊験あらたかな観相や手相で四柱推命を行う「霊媒占い師」と、四柱推命の本をベースに生年月日を計算機で叩いて占う「本占い師」と呼ばれる占い師だ。占い師は稼ぎ時の年末年始に訪れる顧客の新年の運勢を占い、災厄を払う方法を伝授して報酬を受け取る。

 北朝鮮の占い師は普通、一度の占いで50ドルから500ドル以上を受け取る。一般的な労働者が10年以上、給料を使わずに貯めなければならない金額だ。占い師の顧客は失うものがない富裕層と、今より良い生活を送るためにもがいている中産階級に分かれるが、共通点と相違点がある。

 共通点は、新年を迎える自分自身や家族の健康、あるいは子供たちの名門大学への受験、いい職場への就職や転職、夫や子供たちの出世や厄払い、子供たちの嫁入り道具などを占うところである。

 一方で相違点もある。中産階級は新年を迎えて現状より良くなることを望むが、富裕層は起こり得る悪いことに高い関心を持っている。

 そのため、富裕層が占いだけでは終わることはなく、悪いことを防ぐための金銭支出も惜しまない。邪気を追い払って災いを退けるために赤い字を書いたお守りを懐に入れて持ち歩く。あるいは、絵を描いて身に着け、家に貼る。

 こういった富裕層の占い依存に関して、朝鮮人民軍の総参謀部に所属していた作戦参謀の事例がある。