東京パラリンピックの開会を宣言される天皇陛下(8月24日、写真:AP/アフロ)

アスリートの重症化案じられた天皇

 東京パラリンピックが8月24日、天皇陛下の開会宣言で開幕した。

 感染力の強い新型コロナウイルス・デルタ株の勢いは衰えず、日本国内の新規感染者減少は見えてこない。

 非常事態宣言は開催地・東京を含む21都道府県に拡大、「まん延防止等重点措置」が適用された自治体は12県になった。

 そうした中で東京パラリンピックが始まった。

 天皇陛下が「呼吸機能の弱いアスリートや基礎疾患を抱えるアスリートの重症化のリスク」を心配される(国際パラリンピック委員会=IPO=幹部へのご挨拶)中でのパラリンピックの開催強行だった。

 世界はどう見たか。

 意外なこと(?)に、海外メディアは、五輪の時とは異なり、好感を持って開幕の模様を報じた。

 全米地方紙が掲載するAP通信の特派員はこう報じた。

「五輪の時と同じく無観客の開会式だったが、パラリンピック開催に反対するデモは少人数で、開催にこぎつけた安堵感とパラリンピック・アスリートへの歓迎ムードにあふれていた」

 東京五輪報道では、最初から最後までケチばかりつけていた韓国メディアは別として、米メディアは総じて五輪が無事閉幕したことを安堵し、「日本は本当によくやった」というジョー・バイデン大統領のコメントで締めくくった。

 御多分に漏れず、一部メディアは五輪が終わった後も国際オリンピック委員会(IOC)の傲慢さを批判していた。

 ところがパラリンピック報道姿勢は、一変してどこまでもポジティブだ。