庶民の怒りが地方政治に波及
後手に回った菅偉義首相の新型コロナウイルス感染症対策が横浜市長選に大きく響いて、自民党の前閣僚と現職市長が枕を並べて討ち死にした。
当選したのは立憲民主党推薦の、政治には素人の山中竹春元大学教授だった。
参考:「横浜市長選、市民の不安と不満示した結果」 (https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC1670F0W1A810C2000000/)
国政に対する民意が地方選挙に影響する好例だ。
海の向こうの米国(筆者にとっては居住地だが)でも同じような現象が起こっている。
ジョー・バイデン大統領のアフガニスタン退避作戦の無様さが与党・民主党の金城湯池、カリフォルニア州、ギャビン・ニューサム知事(53)に対するリコール投票の行方に黒い影を落とし始めたのだ。
たかが米国の地方自治体の首長の話と言うなかれ。
カリフォルニア州は人口3970万の全米最大の州、国民総生産(GDP)は32兆ドルとインドより多い。
バイデン政権にとってはニューヨーク州とともに最重な「ブルーステート」(民主党支配州)だ。
(https://www.census.gov/quickfacts/CA)
ニューヨーク州のアンドルー・クオモ知事(63)がセクハラ容疑で辞任に追い込まれたのは8月10日。
今度はカリフォルニア州のニューサム知事に火の粉が飛んできた。
クオモ、ニューサム両氏ともにそれぞれの州では名門中の名門の家柄だ。来年の選挙では再選確実と目されてきた。
コロナ禍対策で各国の首脳や地方自治体の首長はみな悪戦苦闘している。だが、その責任を問われて辞任したケースはまだない。
ニューサム氏がコロナ禍対策でリコールされれば初のリーダーになる。