仮釈放となり拘置所から出るサムスン電子の李在鎔副会長(8月13日、写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 2021年8月13日午前、サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン=1968年生)副会長が仮釈放になった。

 韓国最大最強の財閥の総帥が拘置所生活を続けるという異例の事態は解消になった。サムスンは李在鎔副会長の「仮釈放経営」というもう一つの異例の事態がスタートした。

 8月13日午前10時過ぎ、ソウル近郊のソウル拘置所を歩いて出てきた李在鎔氏は詰めかけた報道陣の前に立った。

 一目で痩せたことは分かったが、マスク越しの顔色はさほど悪くなく少なくとも健康上の大きな問題があるようには見えなかった。

207日ぶりに釈放

 李在鎔氏は、2021年1月18日、朴槿恵(パク・クネ=1952年生)前大統領とその長年の知人に対する賄賂の提供などに関する破棄差し戻し審で実刑判決を受けて収監されて以来、207日ぶりに仮釈放になった。

 テレビカメラの前で李在鎔氏は「国民の皆様に大きな心配をおかけして申し訳ありません。私に対する心配、非難、憂慮、そして大きな期待についてきちんと聞いております。一生懸命やります」と語ると、待機していた車に乗り込んだ。

「サムスンの総帥を拘置所から出す」ことについては、賛否があった。

 韓国メディアでは当初、光復節(8月15日の独立記念日)を機に李在鎔氏が「特別赦免」になるのではという見方もあった。

 赦免は、大統領の権限で、簡単に言えば、罪が「なかったこと」になる。

 なぜこんな話が出て来たのか。