ソウル市内のスタバ店内(筆者撮影)

 韓国のコーヒーチェーンでも最も人気が高いスターバックスの米国本社が、韓国の合弁事業の全株式を売却する。

 合弁相手の韓国流通大手新世界グループが経営権を握る。

 世界のスタバでも優良事業ともいえる韓国の合弁会社を巡って、新世界、スタバ双方にそれぞれの思惑が一致したようだ。

 今回の株の買い増しを含め、新世界グループの今年に入ってからの猛烈な投資攻勢が目立つ。

 韓国も本当にコーヒーショップが多い。そのほとんどがチェーン店で、最も人気が高いのがスタバだ。

1999年 1号店は梨花女子大前

 韓国のスタバ(スターバックスコーヒーコリア)は、スタバ本社(スターバックスコーヒーインターナショナル)と新世界グループで大手マートなどを手掛ける「イーマート」が折半出資で運営してきた。

 1999年にソウルの梨花女子大前に1号店を開いて以降、韓国内で他のコーヒーチェーンとの熾烈な競争を勝ち抜いてきた。

 現在は1580店舗があり、2020年の売上高は1兆9284億ウォン(1円=11ウォン)、営業利益は1644億ウォンという優良事業に育った。

 年商2兆ウォンのビッグビジネスだ。

 新世界グループとスタバ本社は2021年7月27日に、合弁会社の株式をスタバ本社がすべて売却すると発表した。