韓国政府は、新型コロナウイルス感染症対策として厳格に運用していた飲食店の営業時間制限や入国者の隔離措置などを2021年7月1日午前零時から緩和する。
新規感染者が安定的に推移しているうえ、ワクチン接種が急速に進んでいることなどを考慮した措置だ。
「日常への復帰」を急ぐが、防疫専門家の間ではスピード優先に懸念の声もある。
筆者は、6月に入ってからソウル市内の病院で新型コロナワクチンの予防接種をした。韓国は、住民登録番号(外国人登録番号)でワクチン接種も管理するため、日本のような自治体の「接種券」はない。
ワクチン接種をIT管理
年齢別の接種期間が発表になるとインターネットか電話で予約をするが、ストレスは全くなくさっと予約ができた。
アストラゼネカ製ワクチンで、幸い、筋肉痛や発熱はなかった。
6月半ばになると、筆者の周辺でもワクチン接種をしたという話が急増している。医療従事者や60歳以上だけでなく、余ったワクチンを接種した40代、50代も多い。
余ったワクチンを無駄にしないための仕組みにもITを活用している。
ネイバーやカカオといったポータル、SNSサービスのメニューに「余ったワクチン予約」が出てくる。
医療機関などの位置情報も簡単に検索できる。ITが苦手な場合は、電話でももちろん予約できる。
医療機関や保健所にあらかじめ「余ったワクチンが出た場合の接種を希望する」と登録しておけば、順番に沿って連絡が来るようだ。
意外と多くの人たちがこうして接種している。
韓国在住の日本人の中にも、アストラゼネカやジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンの余ったワクチンを接種したという人が少なからず出始めている。