2021年5月23日夜、韓国の文在寅(ムン・ジェイン=1953年生)大統領が3泊5日の訪米日程を終えて帰国した。
米中対立の中、北朝鮮問題や外交、防衛分野などで内容がてんこ盛りの米韓首脳会談だった。訪米に合わせ、韓国側は、4大財閥による「産業協力」の成果を強調した。
「サムスン、SK、現代、LGが米国に大きな投資を約束してくれたことを感謝します」
共同記者会見にもSK会長が
2021年5月21日午後(現地時間)、ホワイトハウスで開かれた米韓首脳会談後の共同記者会見。ジョー・バイデン米大統領は、こう話した。
会場には、崔泰源(チェ・テウォン=1960年生)SKグループ会長などの姿もあったという。
この日午前、米商務省で「韓米ビジネスラウンドテーブル」が開かれた。
韓国の文在寅大統領も直接参加したほか、文勝煜(ムン・スンウク)産業通商資源部長官、米国のジーナ・レモンド商務長官のほか、韓国側から崔泰源SKグループ会長のほか、サムスン電子副会長、現代自動車社長、LGエネルギーソリューション社長、サムスンバイオロジクス社長、SKバイオサイエンス社長などが参加した。
米国側からも、モレンコフ・クアルコムCEO(最高経営責任者)のほか、ノババクスやデュポンのCEOが参加した。
この行事の目的は、韓国側が米国内での大規模な投資計画を発表することだった。
サムスン電子、半導体生産増強 170億ドル
LGエネルギーソリューションとSKイノベーション、合わせてEVバッテリー生産に140億ドル
現代自動車、EVと充電インフラ生産に 74億ドル
SKハイニックス、シリコンバレーの研究開発センター設立に10億ドル
投資額は合わせて394億ドル、韓国ウォン換算で44兆ウォン(1円=11ウォン)に達する。
企業の計画発表の場に文在寅大統領がどうしてわざわざ足を運んだのか。
米韓首脳会談を直前の控えたタイミングでの行事で、韓国側の「手土産」を公開するセレモニーだった。
韓国側にとってはきわめて重要な行事だったのだ。