これには反日日本人や実際に端島に居住した人々にインタビューしながら、真実を報道しないNHKの捏造番組*1が関係している(大高未貴「NHKにもあった捏造番組軍艦島特集」『WiLL』2021年2月号所収、その他)。

 ドキュメンタリーでは炭鉱マンが坑内では褌一丁で、ツルハシを振るい、また屈みながら石炭を運んだりする姿が映し出されるが、実際は這ったり屈んだりすることはなく、ピックという小型削岩機で掘っていたことが分かっている。

 実情を知る関係者らが、NHKに撤回などを要望しているが、NHKの返答は要領を得ず、実現に至っていない。

 まさしく朝日新聞の慰安婦報道と同じである(加藤康子「朝日の慰安婦大誤報に匹敵! 捏造されたNHK『軍艦島』ドキュメント」『Hanada』2021年2月号所収)。

*1=NHK総合で昭和30(1955)年11月17日、午後7時10分から30分まで放送された、当時の端島の暮らしぶりを伝える約20分のドキュメンタリー作品『緑なき島』

なぜ日本の説明は世界に通じないのか

 それにしても、なぜ日本の説明はすんなりと世界に通じないのか。

 慰安婦問題ばかりでなく、徴用工、そして今回の五輪における反日行動への対処では、情けないというしかない。

 首相らの靖国神社参拝や慰安婦問題などで、日本は世界の悪意に翻弄され続けている。国家の存続や尊厳等に係る戦略情報の対外発信に弱点があるとして、外務報道官の強化やロンドンなど世界3か所に多額の経費をかけて情報発信拠点も整備された。

 米国や中国の外務省報道官の姿はテレビでしばしば見かけるが、日本外務省の報道官の姿など見たこともない。

 また、ロンドンなどに設置された情報発信拠点では相も変わらず、従来型から出ていないようで、慰安婦や徴用工などについての発信は行われていないのではないだろうか。