今年2月、朝鮮労働党中央委員会第8期第2回総会に出席した金正恩総書記(提供:KRT/ロイター/アフロ)

 コロナと食糧危機のダブルショックが続く北朝鮮は、やはり長年の後見国である中国を頼るしかないようだ。

朝鮮戦争停戦68年の節目にあらためて中国に敬意表した金正恩総書記

 7月29日、北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会機関紙『労働日報』が、前日の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の動向を伝えた。「敬愛する金正恩同志が戦勝節に際して友誼塔(編集部註:朝鮮戦争参戦烈士の墓)を訪れた」と題した全文は、以下の通りである。

<朝鮮労働党総書記であり、朝鮮民主主義人民共和国国務委員長でおられる敬愛する金正恩同志が、偉大なる祖国解放戦争(朝鮮戦争)の勝利68周年を迎え、7月28日に友誼塔を訪れた。趙甬元(チョ・ヨンウォン)同志、李日煥(リ・イルファン)同志、鄭尚学(チョン・サンハク)同志、李炳哲(リ・ビョンチョル)同志、朴正天(パク・ジョンチョン)同志、権英進(クォン・ヨンジン)同志、李永吉(リ・ヨンギル)同志が同行した。

 花環鎮魂曲が鳴り響く中、敬愛する総書記同志の名義で書かれた花環が捧げられた。花環のリボンには、「全朝鮮人民の名で崇高なる敬意を表します。朝鮮人民を代表して 金正恩」という字が書かれていた。

 敬愛する総書記同志におかれましては、帝国主義の侵略を退けるわが人民の祖国解放戦争に参戦し、貴重な命を捧げた中国人民義勇軍の烈士たちに崇高な敬意を表した。朝鮮人民軍名誉衛兵隊の分列行進が行われた。

 総書記におかれましては、同行した幹部たちと共に、友誼塔を見て回られた。総書記におかれましては、「『抗美援朝 保家衛国』(アメリカに対抗し北朝鮮を援助する 家を保ち国を防衛する)の旗幟を高く掲げ、苛烈な戦火の日々に、わが軍隊と肩を並べて戦った中国人民義勇軍の将兵たちの真の戦闘的友誼と無比の犠牲精神は、偉大な戦勝の歴史とわが人民の記憶の中にしっかりと刻まれている」と述べられた。

 総書記同志におかれましては、「わが共和国が最も厳しく苦しい局面を迎えた時、わが人民の聖なる歴史的闘争を血によって支援した中国人民の高貴な魂と功績は、反映する社会主義朝鮮と共に、不滅のものとなるだろう」と述べられた。「血縁的紐帯で結ばれた朝中親善は、共同の偉業のための一途の道で、代を継いで固く継承されるだろう」と述べられた>

朝鮮戦争の休戦協定が結ばれてからちょうど68年がたった今年7月27日、平壌にある戦死者の墓には一般の市民や兵士が訪れた(写真:AP/アフロ)