新型コロナウイルス感染症第5波の感染拡大が止まらない。医療現場が直面しているその特徴と怖さとは? 「やはりコロナにはかからないで」──讃井將満医師(自治医科大学附属さいたま医療センター副センター長)が20代から50代の現役世代にメッセージを送る。連載「実録・新型コロナウイルス集中治療の現場から」の第60回。
感染者は20代、30代が圧倒的
東京都・沖縄県には緊急事態宣言、大阪府・埼玉県・千葉県・神奈川県にはまん延防止等重点措置が発出されていますが、その効果も薄く、新型コロナウイルス感染症の第5波が急速に拡大しています。この第5波には、いくつかの特徴があります。
(1)感染拡大のスピードが速い
私が勤務する自治医科大学附属さいたま医療センターがある埼玉県では、新規感染者数の前週比が1.50倍、実効再生産数(1人の感染者が感染させる人数の平均値。1以上になると感染は拡大する)は1.332(いずれも7月24日時点)とかなり高い数字になっていて、拡大スピードが速いことを示しています。それにともなって確保病床の使用率も急激に高まり、7月上旬には20%以下で余裕がある状態だったのが、現在はステージⅣの指標となる50%に迫っています(7月24日時点で46.5%)。