他方、バイデン政権になってからのCNNの報道内容を理由に挙げる見解もある。デポーン大学のメディア研究のジェフリー・マコール教授は次のように解説する。

「バイデン政権の政策や動向を伝えるCNNの報道が、本来の民主党支持派、あるいはリベラル派の国民の期待を満たしていないことが指摘できる。現在の米国が抱えたインフレ、犯罪、議会の分裂、不法移民といった問題に対処するバイデン政権の実態をなんら批判せず客観的に報じていないからだ」

 要するに、バイデン政権に甘すぎるということだろう。となると、CNNの視聴者減少はトランプ氏の退場とはまた別の理由だということにもなる。

 いずれにしてもCNNというニューステレビ局に象徴される米国の主要メディアの党派性、つまり客観性や中立性の欠落が、視聴者数の激変という事態をもたらしているということは言えそうだ。