「CNNの視聴者数が70%も落ちてしまった。他のテレビ局もそれほどではないが視聴者を減らしている。やはり私がワシントンを去ってから、米国の政治は退屈になったということだろうか。だがCNNだけがとくに人気を失ったことは、視聴者からの信頼にも原因があるのだろう。とにかくCNNの急落というのは素晴らしいことだ」
トランプ氏がCNNの視聴者減少を喜ぶのは当然だといえる。CNNとトランプ氏は、トランプ政権の発足当時から激しく対決した。CNNがトランプ氏とロシア政府機関との共謀を伝える「秘密文書」の内容を報道した際は、トランプ氏はCNNに「フェイクニュース」という言葉を浴びせて攻撃した。
バイデン政権になってからのCNNの視聴者の減少は“劇的”とさえ言える。ニールセンの最近の発表によると、今年(2021年)6月の、ケーブルテレビにおける主要ニューステレビ局のそれぞれの視聴者数は、1日ごとのプライムタイム(午後8時から同11時)平均でFOXニュースが213万人、MSNBCが131万人、CNNが79万人だった。
この数字をトランプ政権時代の昨年6月とくらべると、FOXニュースが42%、MSNBCが36%、CNNが57%減少している。
同じ調査によると、CNNの人気番組の視聴者減少がとくに激しい。CNNの一番の人気番組だった、ジェイク・タッパー氏がメインアンカーを務めるニュース番組は、4月から6月までの第2四半期の視聴者数が前期(1~3月)よりも70%以上の減少となった。トランプ氏は、この減少についてコメントしたとみられている。