ミャンマーで軍による2月1日のクーデター以降、身柄を拘束されて自宅軟禁状態が続いている、民主政府の実質的指導者のアウン・サン・スー・チー国家最高顧問兼外相が6月19日に76歳の誕生日を迎え、反軍政を掲げる国民各層から祝福のメッセージや花を飾る行動が全国的に展開されたが、これに対してスー・チーさんが「感謝」を表明した。
これは21日に開かれたスー・チーさんの公判に出廷したミン・ミン・ソー弁護士が明らかにしたものでAFP通信が22日に伝えた。
短時間ながらスー・チーさんと面会したミン・ミン・ソー弁護士によると、スー・チーさんは「(誕生日の祝福を)感謝しており、今後も国民への思いを共有していきたい」と述べたという。さらにミン・ミン・ソー弁護士はスー・チーさんの健康状態について「健康である」と述べ、裁判の被告として長引く自宅軟禁状態でも健康に特段の問題がないことを強調した。
スー・チーさん裁判は厳重警戒の中で非公開
AFPによると21日に首都ネピドーの特別法廷で開かれたスー・チーさんの公判は、周囲を治安当局が厳重に警戒する中で行われ、報道陣の取材は一切禁じられた非公開で続いているという。
スー・チーさんは複数の容疑で起訴され、公判が続いているが、弁護団などによると一部の容疑については早ければ26日の結審する可能性があるとしている。
2月1日の身柄拘束以来、スー・チーさんの消息は不明状態が長く続いていたが、弁護団がオンラインでスー・チーさんに面会して健康であることを確認。その後6月7日には公判に出廷しているスー・チーさんの写真が公開され、同時にミン・ミン・ソー弁護士が約30分直接面会することができ、スー・チーさんの「全ての国民は健康に留意して過ごすように」という国民に対するコメントを伝えていた。
また弁護団を通じてスー・チーさんが率いる最大与党の「国民民主連盟(NLD)」に関して「NLDは国民のために誕生した政党であり、国民が存在する限り党は存在し続ける」ともコメントしており、自宅軟禁されて「被告」の身となりながらも、なおミャンマーの民主化に立ち向かう不屈の精神を国民に示した。