大型商業施設が撤退し空き家となった建物が全国で次々と生まれている。そこを市の公立図書館と民間のテナントを共存させた「小さな街」として生まれ変わらせたのが、静岡県牧之原市で始まった「牧之原図書交流館プロジェクト」だ。プロジェクトの全体統括および設計に携わった株式会社スターパイロッツ代表の三浦丈典氏に、株式会社Public dots & Companyの伊藤大貴氏がインタビューした。(JBpress)
※本記事はPublicLab(パブラボ)に掲載された「「新しい公共空間」としての図書館の在り方(3)(4)」を再構成したものです。
(三浦丈典:株式会社スターパイロッツ代表)
(伊藤大貴:株式会社Public dots & Company代表取締役)
空き家となってしまった地域のホームセンターをリノベーションして、市立図書館と民間の店舗が共存する「新しい公共空間づくり」に挑んだ静岡県牧之原市の官民共創プロジェクト。プロジェクトの全体統括に携わった、株式会社スターパイロッツ代表三浦丈典氏のインタビューをお届けします。
前編では、官と民を「交ぜる」という発想のもと、同じ空間の中で両者の垣根を感じさせない工夫や仕組みづくりについて語っていただきました。
前編
空き家化したホームセンターをリノベした図書館の斬新さ
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/65629
後編では、テナントの誘致や市の各部署との調整など、さらに具体的な取り組みについて伺います。
伊藤 ホームセンターを図書館に変えるイメージがどうやったら生まれてくるのですか? 毛色が違い過ぎて、従来のリノベーションの概念では対応できないような気がするのですが(写真1、写真2)。
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三浦氏 ホームセンターは一見、工場みたいですからね。ただ、図書館は人と本が主役なので、建築自体が飛び抜けて格好良くなくても意外となんとかなります。建築自体はローコストでも、家具や照明や書架のデザインで見違えます。設計者の腕の見せどころですね。