ルアンパバーンの路上では犬にもたくさん出会いました。洋品店には2匹の犬がいて、ベビーシッターと店の招き犬役を交代でこなしています。

 このかわいらしい犬はのんびりと昼寝をしているように見えて、実は凄腕の番犬でした。この写真を撮ったあと道を奥へ進んだとき、「ぎゃっ」という声が聞こえました。振り返ると、この犬が観光客に飛びかかっていました。その人はたぶん、この犬の考える境界線を越えて、“家の中”に入ってしまったのでしょう。

 こちらの犬も番犬です。顔はへらへらしているように見えますが、相手を油断させる高度な技かもしれません。嗅いだことのないにおいの人間だなと、わたしを警戒しているようでした。

 階段をのぼるわたしを見つけるや、犬が吠え立てました。家の人と目が合ったので会釈をすると、「うるさい。ちゃんと人を見てから吠えろ」と犬は叱られ、しゅんとしてしまいました。せっかく怪しい人間を知らせたのにと、がっかりした様子です。

 子犬が5匹、タライに入れられていました。子犬たちがまとわりつくと母犬が休まらないので、母犬の休息のためにこうしているのだそうです。母犬はしばらく子犬たちを見ていましたが、急に路地を駆けていきました。話を聞いてくれる友だちのところへ行ったのかもしれません。