この子猫は、木に爪が引っかかり、にっちもさっちもいかなくなっていました。もがけばもがくほど、ムササビのように四肢が広がってしまい、体勢を立て直すことができませんでした。焦りのためか、シッポの毛も逆立っています。

 幸いなことに、わたしの手の届く高さだったので、下へおろしてやりました。すると急いで仏像に駆け寄りました。助けを求めるのは仏様、ということでしょうか。

 ルアンパバーンは、ラオスの北西部に位置する古都で、町全体がユネスコ世界遺産に登録されています。

ラオスは、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマー、中国に囲まれた、海のない国。ルアンパバーンは首都ヴィエンチャンの北にある

 山岳地帯にありますが、1年を通して高温多湿です。暑い時期は3月から5月で、平均最高気温33℃、平均最低気温20℃。涼しい時期は11月下旬から1月下旬くらいで、平均最高気温26℃、平均最低気温15℃。涼しい時期の方が猫たちの動きは活発です。

 ルアンパバーン旧市街は、メコン川とその支流のナムカン川に三方を囲まれた細長い土地です。通り抜ける人や車がないので、とても静かなところです。

 ルアンパバーンには、約80の古い寺院があるそうです。ほとんどは500年前ごろに建てられました。寺院を訪れれば、のんびりと暮らしている猫や犬に会うことができます。しかも、猫が多くいる寺院、犬が多くいる寺院など、寺院ごとの個性があるのです。