VISIONやジャパンライフは「マルチ商法」を謳っているが、厳密にいえば彼らが行っているのは“マルチまがい商法”だ。むろん違法である。

 彼らの多くは、セミナーを開催して新規の会員を獲得してきた。しかし、コロナ禍ではこれまでのように大々的なセミナーは開けまい。彼らのビジネスも下火になっているに違いない、と想像していたが、どうもそうではないらしい。

コロナでセミナー開催は下火だが・・・

「コロナ禍でも、我々は会員を獲得しています」

 こう語るのは、冒頭に紹介した“副業”でマルチ商法の勧誘員をしているA氏だ。

 A氏は自らが団体や企業を立ち上げるわけではなく、あくまでも勧誘員として活動を続けているという。ちなみに、A氏は勧誘員としてさまざまな団体で20年以上活動し、過去にはジャパンライフにも在籍していた“前科”がある。そして、当然というのもなんだが、合法なマルチ商法以外にも手を伸ばしている。

「セミナーを中心に会員を獲得しているところは、コロナの影響が直撃して厳しいでしょうね。しかし、そもそも、セミナーで会員を獲得するようなやり方は時代遅れなのですよ」(同)

 国民生活センターによれば、2020年度のマルチ商法の相談件数は6874件。前年同期が7875件だったので、コロナ禍でも相談者の数はそれほど減っていないようだ。