上坂 カタールでは日本の声優やロリータファッションの人が来るという機会がなかなかないので、みなさんとても喜んでくださいました。「日本のアニメが海外で人気」というのは知識ではわかっていましたけど、カタールのイベントで初めてそのことを目の当たりにし、感動しましたね。

 年齢を問わず日本のアニメを見ている方が本当に大勢いるんですよ。ちょうどそのとき私は日本で「中二病でも恋がしたい!」という作品に出ていたのですが、カタールの方々がその作品を見ていて、大好きだとおっしゃるんです。日本語をしゃべれないけど「中二病でも恋がしたい!」の登場人物のセリフは暗記して言えるという方もいて、とにかく驚きました。

──2013年にはモスクワでのイベントにも参加されました。

上坂 モスクワでも、現地の方の日本のポップカルチャーへの愛情の深さに圧倒されました。コスプレのコンテストがあったんですけど、1年かけて準備してきた方とか、シベリアからわざわざモスクワまで来られた方もいらっしゃいました。同じコスプレをしたプレイヤー同志が集まって写真を撮っている光景を見たりすると、日本のコスプレイベントやコミケと変わらない熱量があるなあって思いました。

海外にはない「萌え」「カワイイ」

──そうしたイベントに来る現地の人たちにとって、日本のポップカルチャーはどういうところが魅力的なんでしょうか。

上坂 とにかく「カワイイ」って言ってくれますね。「萌え」とか「カワイイ」と感じられるものは、なかなか海外にはないらしくて。

 大学生のときロシアに行って、日本語を勉強している学生さんと交流したんですが、その子は「黒執事」と「らき☆すた」が大好きで、とにかく心惹かれると言うんです。具体的にどこに惹かれるのかはわからないんですが、海外のアニメとはまったく違う魅力があるみたいですね。