海風に吹かれていると、小柄で軽そうな猫が、強風に飛ばされないように後ろ足を開き気味にしながら歩いてきました。

 パラっと小雨が降りはじめました。「猫ちゃん、雨が降ってきたよ。お家へ帰らなくていいの?」と、話しかけると、「ふん、わたしゃここで長く生きているんだ。こんな小雨くらい平気なんだよ」とでもいうような態度で、小さなくしゃみをして、港の方へと歩いて行きました。

 この猫の名は、「ルナ(月)」。土産物店の猫で、16歳くらいになるとのこと。この町の主となって長く、老齢になっても毎日のパトロールは欠かさない元気なおばあちゃんだそうです。

 風が強いのにパトロールに出かけたルナを心配してか、近所の若い猫が土産物店の前で佇んでいました。

 そろそろ帰ろうかと思い始めた頃に、空が晴れ、日が差しました。やはり、イタリアン・リヴィエラは好天が似合いますね。猫がぽつりぽつりと顔を出し始めました。

※ミラノ、リオマッジョーレへの行き方
 東京(羽田空港、成田空港)-ミラノ間には直行便が就航しています。

 ミラノ中央駅から特急電車に乗りジェノヴァ経由でセストリレバンテまで。そこでローカル線に乗り換えるとリオマッジョーレ駅に着きます(3時間30分)。ほかのルートもありますが、これが一番速いです。

 リオマッジョーレからポルトヴェーネレへは、ローカル電車とバスを利用し、ラ・スペーツィアを経由して1時間ほどで着きます。