あくまでも「セックスワーカー」だった慰安婦

 慰安婦の募集方法において、親による人身売買や売春婦の転職が中心なら、やはり慰安婦自身あるいは親が業者と経済契約を結んだと考えるべきである。慰安婦は性奴隷ではなく、性労働者(sex worker)だったのだ。彼女たちが性労働を行うために斡旋業者や事業主と契約を結ぶのは、我々が結ぶ労働者と経営者の間の労働契約と同じである。

 行為者がいて、その者が一定のパターンに基づいて行動したならば、それは契約当事者が契約に基づいて行動したものであり、契約が存在したことを意味する。これを否定するには、前借金の収受、契約期間の存在、慰安婦と慰安所の間の売上げ分割などのように、ラムザイヤー教授が契約の実体として主張するものが存在しなかったことを証明しなければならない。

 しかし、部分的にすら、ラムザイヤー教授の論文に対する批判は証明できていない。これを機に、韓国をはじめとする世界の学界で慰安婦問題を本格的に討論できるのではないかと、私は確信している。(翻訳:金光英実)

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