澎湖島中心都市の馬公から離れた村を訪ねると、思いもよらない景色に出くわし、心が洗われるようです。これは防風林の役目を果たしているのだろうかと眺めていると、散歩途中の猫と出会いました。ここで人と出会うことがめったにないのか、びっくりした様子でした。

 家の人の帰りを待っているのか、それとも郵便受けの番をしているのでしょうか。わたしが立ち止まると、黒猫は伸びをして、挨拶をしてくれました。

 海巡署(海上警備隊)に保護された犬が、3匹の子犬を産みました。後ろにいるのがお母さんです。白色、チョコレート色、黒色の3匹のうち、黒い兄弟が、いままさに里親さんにもらわれて行くところでした。名残惜しそうに、兄弟犬とお母さんが見送っていました。

 黒い子犬を抱いた男性によると、子犬たちを見た瞬間に里親になることを決め、乳離れする日を待っていたのだそうです。「今日からこの子犬といっしょに暮らすんだ」と、とてもうれしそうでした。

 かわいいビーグル犬がいたので遊んでいると、飼い主さんが「ナイキ、遊んでもらってよかったな」と、話しかけてきました。
「ナイキっていう名前なのですか? どういう字を書くのでしょう?(「内記」だとしたら、深い意味がありそう・・・)」
「ナイキを知らないの? お尻についているマークだよ」。
「なーんだ」というと、飼い主のおじさんは目を細めて笑っていました。

 後編では台湾本島をまたいで反対側、東部の花蓮の猫たちを紹介します。
シッポで本音を語る台湾の猫
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64138