森林伐採後の農地で育てられるものとは

 では次に、森林破壊の2つ目にして最大の原因、食糧需要の増大に目を向けてみよう。伐採された森林は、次々に農業用地へと姿を変えている。その土地利用の内訳は、牛を筆頭にした畜産の放牧地、大豆畑、そしてパーム油を生産するアブラヤシ農園であることが明らかになっている。

 2019年のデータによると、全世界の農耕地の77%(放牧地と飼料畑の合計)が畜産に使用されている。環境問題やアニマルライツ、健康への関心から、ビーガニズムがここ数年で急速に広まっているが、世界的には肉の消費量は増え続けている。それは、世界的な人口増加と、経済的に豊かになる国が増えるにつれて肉の消費量も増えているからである。

 大豆も畜産に次ぐ森林伐採の大きな要因になっている。世界の大豆生産量の80%が家畜の飼料になっている現実を考えると、森林伐採の原因は圧倒的に畜産業にあると言っても過言ではない(参考資料)。

 パーム油は、畜産、大豆に続き森林破壊の原因となっている。パーム油は、アブラヤシという植物からとれる植物油で、世界自然保護基金(WWF)によると80%以上がインドネシアとマレーシアで生産されている(参考資料)。肉や大豆のようにそのまま料理に使うことはまずないのであまり知られていないが、実際には肉や大豆以上に私たちの日々の生活に欠かせないものとなっている。

パームツリーが並ぶプランテーション(写真:ロイター/アフロ)

 例えば、市販のピザの生地、パン、カップラーメン、マーガリン、チョコレート、クッキーやポテトチップスなどのスナック菓子、アイスクリーム、外食産業の揚げ油など、パーム油が使われている食品は枚挙に暇がない。また、食品だけでなく口紅、シャンプー・コンディショナー、洗剤、石鹸などにも含まれている。
 
 ここまで浸透しているパーム油を私たちの生活から排除するのはあまり現実的ではない。企業は、持続可能なパーム油を原料として選択し、他のパーム油製品との違いを消費者にアピールしていくことが期待される。また、ビル・ゲイツも出資している「人工パーム油」の開発も注目されている。